W主演の2人、それぞれの試練

いわゆる“ラスボス”的存在の小百合は、実際の清水とは真逆のキャラクター。「いつみが太陽だとしたら小百合は月なので、昔の昭和の女優みたいな古風な美人にしようと。いつも微笑みながら座っている感じは、モナリザみたいなイメージもありますね」(耶雲監督)本番直前までキャッキャッと笑っていたり、全力で顔面ストレットをやっていたりするにも関わらず、いざカメラが回り始めると瞬時に小百合スイッチをオンにする清水。自身が盛ったスズランの毒で悶え苦しむいつみを見下ろす時の、氷のような視線。そしてその後、いつみ専用の玉座に座り泣いているのかと思いきや、こらえきれない嬉しさで高笑いを繰り出す狂気。「OK!いいね!」と満足そうな監督の言葉に、「あ~っ!よかった」と一気に普段の清水に戻り、安堵の表情を浮かべていた。 対する飯豊はいつみという難役と格闘。2度目のタッグとなる耶雲監督からは「そういう自信がない感じはダメだよ」と愛あるダメ出しが続き、撮影初日から自分へのふがいなさに思わず涙する一幕も。「がんばってるのは分かってる。でも泣いても許さないよ(笑)」と笑顔で飯豊を激励する監督。だが日が経つにつれ“ダークサイドのいつみ”を楽しみ始めたのか、屋上シーンでの名ゼリフ「い・や・だ!」など振り切れた怪演を見せる。その後、階下に飛び降りるシーンではワイヤーなし、スタントなしで本人がガチの背面ダイブ! もちろん下にマットを敷き安全面は十分考慮していたものの、この日は台風が近づく悪天候で撮影のコンディションとしては最悪だったため「無事着地した時は自然とスタッフから拍手が起きました」(耶雲監督)。